フルメタルジャケット Full Metal Jacket

映画主題歌・テーマ曲・サントラ

『フルメタル・ジャケット(Full Metal Jacket)』は、ベトナム戦争を題材にした1987年のアメリカ映画。

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監督は、『2001年宇宙の旅(1968) 』、『アイズ・ワイド・シャット(Eyes Wide Shut/1999)』などで知られるスタンリー・キューブリック。

鬼の訓練教官 ハートマン軍曹

この作品を最も特徴付けている要素といえば、やはり前半部分に登場する海兵隊訓練所の鬼の訓練教官ハートマン軍曹(Gunnery Sergeant Hartman)の存在だろう。

訓練生達に向かって機関銃のように降り注ぐ過激で強烈なハートマン軍曹のセリフは、世界中に熱狂的な愛好者を生み出している。

内容的には、とても地上波のゴールデンタイムには放送できないほどの過激さで、日本での翻訳者も相当苦労したようだ。

ロナルド・リー・アーメイとは? 地獄の黙示録で映画デビュー

ハートマン軍曹役のロナルド・リー・アーメイ(Ronald Lee Ermey/1944-)は、アメリカ合衆国海兵隊の元軍事教練指導官。第17海兵航空支援群の一員としてベトナムで戦い、1972年二等軍曹で除隊。

映画デビューは1979年のコッポラ監督作品『地獄の黙示録』で、ヘリコプターパイロット役として出演した。

違う俳優が演じる予定だった?!

当初ハートマン軍曹役は違う俳優が演じる予定で、アーメイは演技指導として参加していたテクニカルアドバイザーに過ぎなかったそうだ。

しかし、彼のいわゆる「本物の」鬼教官振りに魅せられたキューブリック監督は、アーメイをそのままハートマン軍曹役として大抜擢。

実際の演技振りも監督の眼鏡にかなう堂々たるもので、キューブリック監督とアーメイはこの作品以来親しく付き合う友人関係となったという。

アーメイはその後も俳優業を続け、4週連続で全米興行成績1位に輝いたデヴィッド・フィンチャー監督の大ヒット作『セブン(Se7Ven)』の警部役や、『トイ・ストーリー(Toy Story)』では緑色のおもちゃの兵隊グリーン・アーミー・メンの指揮官サージ(グリーン・アーミー・メン)役(声優)を務めるなど、約60本の映画に出演し、またテレビ番組の司会者としても活躍している。

魅力あふれる60年代ポップスを多用した映画サントラ

スタンリー・キューブリック監督の映画「フルメタルジャケット(Full Metal Jacket)」では、『サーフィン・バード(Surfin' Bird)』の他にも個性的な曲が多数使用されている。

一例をあげれば、ローリングストーンズ(The Rolling Stones)の『Paint It Black』、サム・ザ・シャム・アンド・ザ・ファラオス(Sam The Sham and the Pharaohs)の『Wooly Bully(ウーリー・ブーリー)』など、映画の時代背景となっている60年代アメリカでヒットしたポップスがズラリ。

ジョニー・ライトにナンシー・シナトラも!

オープニングで新兵全員が丸刈りにされるシーンで流れていたのは、ジョニー・ライト(Johnny Wright)の『Hello Vietnam(ハロー・ベトナム)』。ベトナムでジョーカーがカメラを盗まれるシーンでは、フランク・シナトラの娘ナンシー・シナトラ(Nancy Sinatra)の『These Boots Are Made for Walkin』が使われていた。

エンディングの行軍シーンで全員が口ずさんでいたのは、アメリカで50年代頃からテレビ放送されたウォルト・ディズニーによるバラエティー番組「ミッキーマウスクラブ(Mickey Mouse Club)」のテーマソングだ。あのシーンで流れる『ミッキーマウスマーチ』はまさにシュールの一言に尽きる。